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人事マネージャーの皆様へ - 職場に(真の)多様性をもたらすためのアドバイス

トップ企業の経営者たちが何十年も前から得ていた考え方が、ついに実証されました。最近の調査報告により、21世紀のビジネスには人材のダイバーシティとインクルージョンを確立・維持することが不可欠であると結論付けられたのです。
従業員の定着率を高めるべく、ダイバーシティに重点を置いた強力な戦略を敷き、インクルージョン重視という会社の価値観を反映した顧客ベースを築くことにより、ブランドアフィニティと収益を同時に高められます。 「経済学的基本理論によれば、消費者は企業のダイバーシティ不足に対し、その企業に金銭を費やさないという単純な策を取るものです。従業員もまた然りで、彼らも、ある職場で働くことのコストとそこで得られる個人的な利益を常にはかりにかけ、両者が釣り合っているかどうかを気にかけています」と、『Forbes』誌のレポートは指摘します。

さまざまな顧客と、生活や事業の舞台となる世界とを反映するチームを各社がこぞって構築する中、特に収益性の高い企業は、多様な従業員の採用に留まらず、さまざまな取り組みを行っています。 そのような企業には、互いの違いを尊重し、受容性を奨励するとともに、背景や視点、人格、スキルの異なる人材を全レベルに配置することにより、各所で実証されてきたそのメリットを最大化するという文化が育まれつつあります。

企業がダイバーシティに富んだ文化を作り上げ、成功を導くにはどうすればよいのでしょうか。 そのためのアドバイスを、企業各社のCEOのほか、各種ビジネス刊行物やダイバーシティの権威から集めました。御社のダイバーシティ&インクルージョン(D&I)プログラムが意義深いものとなるよう、この5つのヒントをご活用ください。

1. トップが率先して行動
Harvard Business Schoolのボリス・グロイスバーグ氏とキャサリン・コノリー氏が、強靭なダイバーシティ&インクルージョンプログラムで知られる企業24社のCEOにインタビューし、成功の秘訣を尋ねました。
その結果、このCEOらは「ダイバーシティへの取り組みを、一度手を下せばそれっきりのものとみなしてはおらず、これに対する責任を誰かに委任してもいない」ことがわかりました。 それどころか、スタイルはそれぞれ異なるにせよ、24人全員がインクルージョンを自らの個人的使命と捉えていたのです。

CEOは、特別イベントやトレーニング、メンタリング、ネットワーキンググループ、ダイバーシティ委員会などの活動に直接参加することで、D&Iに対する会社の尽力を示すことができます。 またそれ以上に、女性やマイノリティを上層部に配置したり、各部門のD&Iの監視や維持に責任を負うマネージャーを設けることを真剣に検討する必要があります。

ANZの最高人事責任者を務めるスージー・ババーニ氏も、この考えを支持する一人。「ダイバーシティの価値を解き放つには、企業幹部がインクルージョンを体現したリーダーシップスタイルを貫く必要があります。目指すは、全員の声を重視し、尊重すること。ひいては革新と創造を推進し、全従業員に帰属意識を持たせることです」。

2. データに現れるダイバーシティに注目
多くのCEOは、会社のD&Iプログラムに対する従業員の考え方を知るため、調査を実施しています。 また、マイノリティ従業員の定着率やキャリアパスに関する追跡データも保有しています。 日産自動車のCEOであったカルロス・ゴーン氏も、『Harvard Business Review』誌のインタビューに答えた24人のうちの1人。いわく、「定員を割り当てるクオータ制は、ダイバーシティ強化の手段として非常に有効だと思います。長期戦を強いられ、いつまでも待ち続けるのを避けたい場合にはなおさらです。 企業が一定レベルのダイバーシティを達成した暁には、クオータ制の効果は失われるでしょう。 しかし、女性管理職を1%から5%に増やそうというときには、クオータ制を取り入れなければいつまで経っても目標の数に到達しません」。

3. 全員にとってプラスになる柔軟な制度を検討
従業員に対し、宗教関連の休日や文化的祝祭、服装制限(それが業務上不適切でない限り)を守ることを喜んで認めるという会社の姿勢をきちんと伝えます。 また、これと同様に重要なのが、業務の生産性が損なわれない限り、託児所の設置や保育料補助、フレックスタイム制、ジョブシェアリング、在宅勤務などの福利厚生を提供することです。

4. 機会均等プログラムの有効性を認識
グロイスバーグ氏とコノリー氏がCEOに対して行ったインタビューにおいて、MasterCardのアジェイ・バンガ氏は次のように語っています。「当社には、女性のリーダーシップネットワークのほか、若手向けのヤングプロフェッショナルグループ、アフリカ系の血を引く従業員のグループ、LGBTプライドコミュニティ、ラテンアメリカ系コミュニティ、アジア系従業員のコミュニティがあります。 各BRG [business resource group]に1名ずつビジネススポンサーが付き、彼らは基本的に私の直属の部下です。 彼らと協力してさまざまな活動を行っており、従業員向けのネットワーキングイベントや多文化サミットのほか、社外から講演者を招き、私と取締役会のメンバーらがパネリストとして参加する女性フォーラムもあります」。 このようなプログラムには高額な費用がかかりますが、多くのCEOがこれらを強固な企業文化の構築に不可欠な要素とみなし、十分な投資価値を見出しています。

5. パートナーシップの威力を活用
さまざまな背景を持つ人々の成功をサポートするコミュニティ団体との間に良好な関係を築いている企業にとっては、多様な人材の採用と維持も造作ないことでしょう。

ダイバーシティ&インクルージョンの専門家であるジョー・ゲアシュタント氏の指摘によれば、D&Iプログラムの成功とは、突き詰めれば従業員が誰にも気兼ねすることなく本来の自分のままでいられるような職場環境の構築にほかなりません。 「インクルージョンとは本来、人々は互いに異なって当然であるという前提で、すべての個人をありのままに丸ごと受容することです。 互いに異なる人々を採用するだけでなく、職場で実際に各人の違いが現れることを許容する必要があるのです」。